作品概要
2016年に刊行された住野よるの長編小説。デビュー作『君の膵臓をたべたい』に続き、“生と幸福”をテーマに描いた作品です。主人公は小学6年生の少女・奈ノ花。学校では浮いた存在の彼女が、不思議な大人たちや猫と出会いながら「幸せとは何か」という問いに向き合っていきます。童話のような優しさと哲学的な深みが同居する物語です。
主なテーマ
- 「幸せ」とは何か
奈ノ花が出会うのは、孤独を抱える女性や、過去を悔いる大人たち。そして「おばあちゃん」と呼ばれる謎めいた存在。彼女との対話を通して、“人が幸せに生きるためには何が必要か”が問いかけられます。 - 子どもの視点と無垢さ
子どもの純粋な視点から描かれるからこそ、幸福論が押し付けがましくなく、むしろ澄んだ言葉として心に響きます。難しい哲学をやさしい物語に落とし込む住野よるの筆致が光ります。 - 過去と未来をつなぐ寓話性
物語後半で“おばあちゃん”の正体や奈ノ花の体験の意味が浮かび上がることで、時間を超えた普遍的な寓話としてまとまります。繰り返される「夢」がタイトルの意味を照らし出す仕掛けも秀逸です。
読後の印象
静かで優しい物語ですが、問いかけられる内容は本質的。「幸せとは人とつながること」「赦しと受け入れ」が核にあることに気づくと、じんわりと心が温かく


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